私の官能小説は相手の男(複数の場合有り)の尻や筋肉や顔の
 美を描写するシーンが結構出てくる。
 
 面食いだから…というのもあるけれど、思いかえすたび
 生まれて初めて女として心身共に「欲しい」と思った男性が
 バイセクシャルで、雰囲気的にも外見的にも本当に綺麗で魔性的で
 打ちのめされた二十歳そこそこの時の経験が余りに大きかったせい。
 
 眉毛も整えてたし、化粧もちょっとしてたし(職業的にもね)
 その衝撃ゆえ、生まれて初めて綺麗になりたい、とも思った。
 美だけじゃないけどね、彼だけスポットライトが当たって見えたのは。
 
 でも、あの経験がなければ今の私はないと言い切れる恋。
 あれがなかったら、きっと完全女性優位の官能も書いていないな。
 最終的に「末永く幸せに暮らしました」なんて風には結ばれなかったけど
 運命の男だったなあ。今となってはあの経験こそが妄想のようだ。
 
 女性でもこんなに求めるんだ、って思えた。
 世間で言う「誘わせる女」的な考えは馬鹿げてるなあと思えた。
 それは世間で言われている単なる恋愛体質、とかそういうんじゃなく
 凄く強い心身の欲求だったなあ。
 女としての自分にも気付いたし、肯定できた。
 
 ただの受動な女ではなく主動でで欲望する女の自分が誇らしかったし
 そして好きな人に欲望して貰える自分の女体も好きになれた。
 うん、だから女性美を褒めて愛でるシーンも書くの大好き!!
 
 肯定できたら、むしろ男性的で絶対に女性の味方になって
 あんまり面食いでもなくなったのは、不思議でもないのかな。
 
 でも、もうあんな恋はしないだろうな。
 小説の中の誰が何を意味しているかとか難しいけど
 どちらかというと、どんなことをしても手に入れたい! 支配したい!
 でも相手を騙したり傷つけたりはしない、と頑張った自分の姿は
 官能小説の中の男性に投影されている、と思う。
 
 ある意味で、やっと過去の思い出になった官能の目覚め的な感覚を
 懐古するため、回顧のために官能小説を書いているのかも知れない。

   
 
 
 ・・・などと、小説を書けないから能書きとかメモしてみたりして。