インド人スチュワーデスと英国人のパイロットの恋話を完璧にするために、以下を図書館から借りて読破。一言付き。
 
 不可触民と現代インド 光文社新書 山際素男 2003 \700
 一言:感動! 買いだこれは。不可触民について書いてあったのは最近の本ではこれだけ。 インタビュー本としても読め、雑だが、生きることへの「目覚め」については秀逸。アンベードカルが不可触民を解放しようとした第一人者の不可触民だと分かって、それらのことをインド政府高官たちが焚書戒厳令をしいていた現実にゾッ。マハトマカンジー批判を生まれて初めて読んだ。世界は広い。
 
 21世紀のインド人 平凡社 山田和 2004 \1900
 一言:まあまあ。カーストにも言及、中々鋭く生活様式なども書き切っている。「不可触民〜」の本と合わせて読むと視野が広がる。また、上記の本の言っていることが本当なのだと分かる。
 
 インドの時代 新潮社 中島岳志 2006 \1575
 一言:面白い。若い人が人口でいったら15%だけの上層部と付き合い、ナショナリズムについて書いた本。でも「不可触民と〜」と合わせても読める。ただし上記ゆえ下層カーストについての情報は補足程度、表層的。またBJPについては彼等が下層カーストを含む政党で、 政権を握った時に下層カースト民の暴行、強姦、殺人被害が85%からたった5%に減った( つまり上層カーストが犯罪を起こしていたので、政権が変わってそれをやめた)という事実は 書いて欲しかった。不可触民から法務大臣になったアンベードカルについての記述はゼロ、ガンジー崇拝で故意に外したのでなければ今でも上層部のインドではマイナー、下層カースト差別存続のために戒厳令なんだろう、と思わざるを得ない=「不可触民と〜」を読んでの印象で。
 
 ダウリーと戦い続けて つげ書房新社 スパドラー・ブタリアー 2005 \2100
 一言:インドの女性団体の女性の焼き殺し事件の記述と戦い。臨月の妻に油をかけて焼き殺してバラモンと金ゆえに悠々自適に無罪、などということが日常茶飯事とは。愕然。トラウマになった。でも見据えねば。難は、そのまま口頭訳文っぽく文体が少々読みづらい。しかしこの本が出版されたことだけでも有意義だろう。
 
 インド不思議研究 平凡社 山田和 2002 \1575 まあまあ。
 
 インドビジネス――脅威の潜在力 祥伝社新書 島田卓 2006 \740
 一言:ダウリーが法律違反ということも視野になく、殺人事件にも特種地域のものというなど、かなり狭い感じ。インド共産主義バラモン主義で本来の共産主義ではないのに分かってないし、そもそも共産主義の意義も分かっていない人が、平気でインド共産主義共産主義そのものみたいな言い方をしていてヒドイ。人口85%のシュードラ・不可触民に対する話を全く知らずに「インドの民主主義は健全だといえるのではないか」ってお前は馬鹿か?
 
 ヒンドゥー教 中公新書 森本達雄 2003 \980
 一言:まあ・・・「バラモン教」については詳しいかな。ヒンドゥー教の儀式や深遠なる学 問に係わり恩恵を受けるのはバラモンかクシャトリナという上層階級で、まあそれについては 詳しい。しかし何度もいうがインドの人口85%を占めるシュードラと不可触民については0.1%。でもまあ・・・・学術書としてはイケてるかも。でもこれをインドの風習に当てはめるのは危険。「不可触民」を読んだ後には、この能天気さに腹が立った。
 
 インド 三修社 岩瀬一郎編 1999 \1900
 一言:観光名所巡り本。風習についても(例えば、何でも食べます、肉食です!というと下賎な人間として扱われる可能性があることなんかについても一切触れていない)詳しくは無い。でも旅行という分にはいいかも。カースト、アンベードカルの微々記載あり。
 
 不可触民 三一書房 山際素男 1994 \1500
 一言:「不可触民と現代インド」の前編といってもいい。不可触民に対するバラモン階級以下上層階級からの虐待、強姦、殺人、放火などが「コーヒーを飲むように行なわれる」という、一言では言えない現状、正に凄惨極まる。プーラン・デビィにまつわる話もそうだが、これらを糾弾する本が他に一切無いということに対し、日本人の「嫌なものは見ない」軽薄さを感じた。これが現実なんだもんなー、私は自分がどうこうできるできないは別として、現在起きていることに眼を塞ぐのは嫌だ。英国植民地時代の遺した唯一の良い遺産が、不可触民 たちへの人権意識を高めたこととは驚いた。不可触民が自分たちも人間なのだと「目覚め」ることを恐れるバラモン達は、知識の宝庫たる図書館に入るのに議員の許可が要るとしている。知識を得ることが出来る日本人がそれらを駆使しないのは愚かだ。
 
 マハラーバタ 山際素男 まあまあ。蛙の姫が良かった。女性差別満載ヒンドゥー
 
 イギリス人はおかしい 文藝春秋 高尾慶子 1998 \1429
 イギリス人はかなしい 展望社 高尾慶子 1998 \1429
 一言:どちらも面白い! 英国贔屓の日本では読めない英国での本音! 英国でたった一人何十年も住み込みの家政婦をやっていた生活の知恵。英国に行きたいなら読むべき。サッチャーを滅多切り。これを読んで、サッチャーと保守派が嫌いになった。それに労働党→保守党→治安が悪化&教育腐敗&人間バカ化が進み、国民幻滅→再び労働党、しかし…と英国の遍歴が垣間見える。また、当人が「男好き」で男探しにも積極的なのが素晴らしくて、生々しくて、オススメ。英国人の男って旦那にするには良いんだあ(笑)
 
 イギリス衰亡しない伝統国家 講談社 加瀬英明 2000 \780
 一言:こいつは馬鹿だ。上記と読み比べると英国贔屓過ぎて、おぼっちゃま的。「階級は悪いことではない」「真摯と礼節の国なのは貴族よりもジェントルマン教育のお陰」「資本主義に変わって良いことづくめ」的な論調でバカ丸出し。
 
 イギリス人の格 集英社 井形慶子 2006 \1500
 一言:これも英国賛美、だが、老後や経済活性化、気軽なチャリティー、助け合い、老年の恋愛や養子、家での娯楽など、長所を羅列しているだけで、精神論や国の高貴さまで論じてないので、素直に真似したい、と思える。
 
 イギリス人 河出書房新社 テリー・タン著 2000 \2500
 著者がシンガポールからやって来て馴染もうと努力したかなり知的な人なので、すごく分かり易く、詳細。差別やホームレス問題など、生活用式など詳しく多岐に渡る。イギリス人はかなしい〜以外の本には一切書いていないことも書いてあり、読んで英国が解る感じ。
 
 パイロットになるには ぺりかん社 阿施光南著 2006 \1170
 
 イギリス人のまっかなホント マクミランランゲージハウス
 A.マイオール/D.ミルステッド 玉木亨訳 2000 \980
 一言:まあまあ。でも結構バカにしてて、生々しさは上記二冊に及ばない。これでは英国人そのものは分からない。