命題

 マフィアの終わりが締まらない。
 印字したものを見直して、「経験を通して成長し、変わり続け、強くなっていく」or「はじめから天才に生まれ、己の決めた道をずっと貫き通す」というような生き方の選択肢があることに気づいた。
 
 己の決めた道を貫き通すのはかっこいいんだけど、経験値を無駄にしているツマンナイ生き方、という見方もあって、二人の相反する人間を寓話のように描いてゆきたいという試みの観点から、二つを相反する道での対抗ではなく、この二つの成長物として書きたいんだけど、上手くいかない。
 
 道を貫き通す人間をカッコよく書くのは簡単。
 
 だが、止まらない時間の流れの中で、己を変化させながらも大切なものを見失わず、「人は決して同じところには留まれない」「時間は流れていく」・・・・「人が変わる」ということを傷ついたものが救いとして感じる現実、人間だけが持つ時間という「積み重ね」と「変化」を描くのは何て難しいんだろう。
 
 命題を片手間に描くのは、不可能なのかも。
 二つの相反する道を描くほうが、纏まりは、いいんだよなあ。